2011年11月3日木曜日

ラタラジューの語りの検証その6

(その5からのつづき)
非公式、地方色の濃いswasni (妻)という語に反応したこと
拙著『生まれ変わりが科学的に証明された!』P55に、次のラタラジューとカルパナさんのネパール語会話があります。
KAはネパール語話者カルパナさん、CLは里沙さんです。
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KA ① Tapaiko srimatiko nam ke re? 
   (奥さんの名前は何ですか?)
CL  Oh jirali
   (おー、ジラリ)※意味不明
KA ② Srimati, swasniko nam?  
   (奥さん、奥さんの名前?)
CL  Ah ... ah ... mero swasni Ramel...Rameli.
   (あー、あー、私の妻、名前、ラメリ、ラメリ)
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うっかり見落とす会話個所ですが、注目すべきは、カルパナさんが
①で妻という単語を srimati と用いたときには、ラタラジューは意味不明な Oh jirali  と答えていることです。
そこで、カルパナさんは、②で srimati とともに swasni という妻を意味する別の単語を付け加えて再度尋ねています。
すると、ラタラジューは、mero swasni Ramel...Rameli.(私の妻、名前、ラメリ、ラメリ)と答えています。
つまり、①で用いられた妻を意味する srimati ではその意味が理解できないとも受け取れる反応を示したのに対し、②で用いられたもう一つの妻を意味する swasni にはきちんと意味を理解して、mero swasni Ramel..のように答えています。
どうも、ラタラジューには srimati の意味が理解できず、 swasni なら理解できると言えそうです。
このことは、なにを意味しているのでしょうか。
中部大学のネパール人客員研究員カナル・キソル・チャンドラ博士によれば、
srimati は公式の一般的ネパール語であり、swasni は非公式、地方色の濃い語であるということです。
そして、swasni なら理解できるが srimati が理解できないという事態は、昔のネパール人やネパール語を母語としないタマン族のようなネパール在住のネパール人ならありうる、ということだそうです。(大門正幸『スピリチュアリティの研究』P68)
以上のような解釈に立てば、前世人格ラタラジューはタマン族が97%(2010年現在)を占めるナル村の住人であり、100年程度昔の人間であるからこそ、公式のネパール語で妻を意味する srimati が理解できず、非公式の用語 swasni しか理解できないことは当然だと言えそうです。
つまり、 srimati の意味が理解できず、 swasni なら理解できるということは、ラタラジューがかなり昔のタマン族として実在していた有力な状況証拠だと判断できると思われます。
同時に、里沙さんが、非公式で地方色の濃い swasni というネパール単語を学ぶことはほとんどありえないでしょうから、里沙さんが密かに、どこかで、誰かにネパール語を学んでいるはずだ、という疑いも晴れるということになります。
ちなみ、にポリグラフ検査でも、ネパール語を学んだ記憶の痕跡はない、という鑑定結果が出ています。
詳細に分析すれば、わずか24分間のネパール語会話のなかであっても、ラタラジューが自分の実在を示す状況証拠をいくつも残してくれたことに驚くばかりです。
また、こうした発見を一つずつして、前世人格実在の証拠固めをしていくことが、生まれ変わり研究の醍醐味でもあります。
(つづく)

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