2014年11月27日木曜日

「生まれ変わりの実証的研究」動画の公開

    「タエの事例」「ラタラジューの事例」の動画公開

 

2005年の「タエの事例」から数えて9年、2009年「ラタラジューの事例」から数えて5年、その間、徹底的な検証を重ねて、両事例の全セッション証拠映像と、両事例の検証と解説を169分の動画にこのほどようやくまとめることができました。

私の生まれ変わりの実証的探究の現時点の成果を、証拠映像とともに後世に残すための動画です。

少なくとも、両事例を語った被験者里沙さんには、生まれ変わりが科学的事実として検証できた、という映像証拠にもとづく主張です。

こうした取り組みは世界にも例がないと自負しています。

公開動画の証拠映像とその検証解説、および本ブログ「SAM催眠学序説」の記述の双方によって、私の主張に対する「反証可能性」はひらかれています。

どうぞ、ご意見・ご感想を本ブログコメント欄にお寄せください。 

 

公開動画は、下記のいずれかのサイトにアクセスしてくださるとご覧になれます。


http://samzense.blogspot.jp/p/blog-page_21.html

https://www.youtube.com/playlist?list=PLiSAMaS04nxZWE3xyb7Rv4xEXH7Aeo7Ch

 

また、「ラタラジューの事例」については英語版動画を別に制作し、2014年4月に下記に公開しています。

http://youtu.be/q5iVCfKuH0Q


注:本ブログ画面右端上部、私の顔写真の上「ページ」にある赤茶色文字「日本語版タエ・ラタラジューの事例動画公開」 「英語版ラタラジューの事例動画公開」をそれぞれクリックしてもつながります。

 

生まれ変わりの真偽とその科学的証拠に関心をもっておいでの方にどうぞ拡散してください。

なお、動画制作に当たっては、私の主宰する催眠塾修了生吉田紘樹氏の全面的ご支援をいただきました。

 

※you-tubeにアップした動画を、DVD1枚(169分)にしたものを、上映会あるいは個人研究等のためにご希望の方は、住所・郵便番号・名前・連絡先電話番号を下記にお知らせください。

 

Email::Katumi-i@ma.ctk.ne.jp

携帯:090-3954-4597

固定:0574-25-8674

2014年11月21日金曜日

SAM催眠学序説 その30

「ラタラジューの事例」再考 その12


「ラタラジューの事例」逐語録 その8


この部分の対話では、ラタラジューのネパール語の理解能力がかなり疑われます。
友人の名、畑や靴や服、楽器のことを尋ねられても、「分かりません」を連発しています。
もっともこのあたりから、里沙さんの疲労度が高まり、朦朧とした答え方が濃厚になってきます。
カルパナさんの問いかけが、ラタラジューの年齢特定のないことばかりであるので、ラタラジューとしては、理解に苦しみ、戸惑い、どう回答するかに苦しんだと思われるからです。

ただし、疲労したのは、前世人格ラタラジューなのか、ラタラジューに身体を貸している里沙さんなのか、両方なのか?

里沙さんの場合、前世人格タエにしても、前世人格ラタラジューにしても、その顕現化中の前世人格の身体状況が、身体を貸している里沙さんにそのまま再現されるという現象が生じます。
タエの場合であれば泥流に呑まれて死ぬ状況、ラタラジューの場合には腹痛で苦しむ状況の苦悶が、それを語る里沙さんにも、喉の閉塞による激しい咳き込みや、腹痛による胃部の痙攣という身体現象が現れることがはっきり観察されます。
きわめて興味深い現象です。
里沙さんの前世の記憶として語られるのであれば、苦悶の表情や落涙はあっても、溺死のときの咳き込みや腹痛による胃部の痙攣という身体症状が伴うことは考えにくいと思われます。
このことは、近く公開する「タエの事例」「ラタラジューの事例」のセッション動画で確認できるはずです。

注:KAはカルパナさん」、CLは里沙さんの略号。


KA  Chimekima?
   (近所には)

CL  Ei ... La ... Laji ho ... Mero sathi.
   (私の友人)

KA  Sathi? Sathi?
   (お友達、お友達?)

CL  Ho ...
   (はい)

KA  Sathi ko nam ke ho ta?
   (では、お友達の名前は何ですか?)

CL  ho, ho ... Sathi cha. Oh ... ho ...
    (はい、はい、友達がいます。おー、はい)

KA  ... nam ke ho?  Sathi ko nam ke ho ta?

   (名前は、お友達の名前は何ですか?)

CL  Bujina.
   (分かりません)

KA  Sathiko nam. Tapaiko sathiko nam?
   (お友達の名前、あなたのお友達の名前です)

CL  Bu ... bu ...

      (ブ・・ブ・・)

KA  Bujnubhyena?
   (分かりませんか?)

KA  Tapai ke garnu hunccha re ahile?  Khetbari cha?
   (あなたは何をして生活していますか? 畑を持っていますか?)
注:何をして生活をしているかは、何歳時点の特定がなされていないと、答えられないと思われる。傭兵として生活している期間があるし、ナル村で農作業をしていた時期もあるからである。


CL  A ... ke ?
   (あ・・・何?)

KA  Khetbari.
   (畑です)

CL  Ah ... Bujina.
   (あー、分かりません)

KA  Kethbari chaina?
   (畑はありませんか?)

CL  Ah ...
      (あー)

KA  Ghar ke ko ghar ho?
   (家は何でできていますか?)
注:この問いも答えにくいと思われる。ナル村の住まいなのか、傭兵時代のカトマンズの住まいなのか特定のない問いだからである。

CL  Ah ...
      (あー)

KA  Bujnubhyena.
   (分かりませんか)

CL  Un.
      (はい)

KA  Tapailai kehi bhanna man la cha aru?
   (他に言いたいことはありますか?)

CL  Ah ...
      (あー)

KA  Aru Gorkhako barema kehi bhannusna.
   (ゴルカ地方について何か言ってくれませんか?)

CL  Bujina.
   (分かりません)

KA  Gorkha?
   (ゴルカですよ)

CL  Gorkha?
   (ゴルカ?)

KA  Un.Gorkha. Gorkhako barama?
   (はい、ゴルカ地方、ゴルカ地方についてです)

CL  Bua.
   (お父さん)
注:ゴルカ地方について尋ねられて、「お父さん」と答えているのは、ラタラジューにとって Gorkhaは、グルカ兵のことであり、したがって父親はグルカ兵だったと答えている。カルパナさんとラタラジューとの間で、 Gorkhaの認識は終始食い違ったままで終わっている。


KA  Bua?と
   (お父さんですか?)

KA  Tapaile zutta lagaunuhuncha? Zutta?
   (あなたは靴を履いていますか?)

CL  Ke?
   (何?)

KA  Zutta.
   (靴です)

CL  Ke?
   (何?)

KA  Zutta.
   (靴です)

KA  Tapaile luga, ke luga lagaunuhuncha?  Kasto luga lagaunuhuncha?  Luga ...
   (どんな服を着ていますか? どんな服を着ていますか? 服を)

CL  Bujina.
   (分かりません)

KA  Luga. Tapaile jiuma kosto luga lagaunuhuncha?
   (服です。身体にはどんな服を着ていますか?)

CL  Ho.
   (はい)

KA  Tapailai git gauna aucha? Git. Git. Nepal ko git. Nepali git
   (あなたは歌を歌えますか? ネパールの歌です。ネパールの歌)

CL  Bujina.Oh, bujina.
   (分かりません。おー、分かりません)

KA  Tapailai baja bajauna aucha? Sarangi bajauna aucha? Ke bajauna aucha.
   (あなたは楽器を弾くことはできますか? サランギを弾けますか? どんな楽器を弾けます    か)
注:サランギは楽器

CL  Ah ...
      (あー)

KA  Madal bajauna aucha?
   (マダル(楽器)を弾くことはできますか?)
注:マダルは楽器。山間僻地の寒村で育ったラタラジューには歌や楽器の音楽的素養はないと推測できる。

CL  Bujina.
   (分かりません)


(その31につづく)

2014年11月13日木曜日

SAM催眠学序説 その29

「ラタラジューの事例」再考 その11

「ラタラジューの事例」セッション逐語録 その7


今回提示する逐語録において、前世人格ラタラジューには、ネパール語の助動詞の文法と数詞の運用能力がある程度備わっていることが示されています。その根拠を「注」にコメントしてあります。

 

注:略号KAはネパール人女性対話者カルパナさん、略号CLはクライアント里沙さん。


KA  Tapaiko desko, Nepalko faja ko ahile?
   (あなたの国の、ネパールの王様は誰ですか?)

CL  Ah ... oh ...
      (あー、おー)

KA  Nepalko raja?
   (ネパールの王様?)

CL  Shah ...
   (シャハ)


KA  Shah?

CL (シャハですか?)

CL  Shah.
   (シャハ)

KA  Shah, namchahi ke hola?
   (シャハ? 名前は何ですか?)

CL  Ah ...
      ( あー)

KA  Nam chahi ke hola?
   (名前は何ですか?)

CL  Ha, ho.
   (は、はい)

KA  Nam? Rajako nam?
   (名前、王様の名前は?)

CL  Ho, ha ... bujina ... ha.
   (はい、はっ、分かりません。はっ)
注:現在でも、ネパールの山間の村のほとんどの住人は、年中あるいは一生畑にいて、その場所から他の場所に移動することはない生活をしている。国政や他の地域で起こっていることは、知らないまま一生を過ごす生活がふつうだという。ラタラジューが、シャハ王朝の名を知っていても、当時の王の名前を知らないことは当然といえば当然である。


KA  Tapaile agi rana sanga ladhai garya bhannu hunthiyoni ke bhannu bho? Gorkha?
   (あなたは前に、ラナと闘ったといったようなことを言いましたよね。どういう意味ですか? ゴ    ルカですか?)

CL  ha ...
      (はー、はー)

KA  Tapaiko buwale ke garnu hunchare?
   (あなたのお父さんは何をしていますか?)

CL  a ... mero buwa ...
   (あ、私の父は・・・)

KA  Hajur.
   (はい)

CL  ah ...
      (あー、あー)

KA  Ke garnuhuncha buwa?
   (お父さんは何をしていますか?)

CL  Mero buwa.
   (私の父)

KA  Hajur.
   (はい)

CL  ah ...
      (あー、あー)

KA  Buwa?
   (お父さんは?)

CL  Gorkha.
   (ゴルカ)
注:ラタラジューにとって、 Gorkha.(ゴルカ)とは「グルカ兵」の意味以外にない。ちなみに、ネパール語で Gorkhaは「ゴルカ地方」と「グルカ兵」の2つの意味がある。「グルカ」はGorkhaの英語読みである。


KA  Gorkha?
   (ゴルカ?)

CL  Ah.
      (あー)

KA  Gorkhama busnu huncha?
   (ゴルカ地方に住んでいるんですか?)
注:「ナル村」は「ゴルカ地方」ではなく、隣接する「ラリトプール地方」になる。文盲であったラタラジューは、ナル村が何地方になるかの知識はなかったであろうし、そうした知識は僻地の寒村で生きていく上で不要であったとも考えられる。 


CL  Mero buwa Go ... Gorkha ...mero buwa Tamang hunnuhuncha.
   (私の父、ゴ、ゴルカ。私の父はタマン族です)
 注:「私の父はゴルカ」のゴルカは、グルカ兵のことを意味し、ゴルカ地方に住んでいるという意味ではない。ここのネパール語の末尾のhunnuhuncha(フヌフンチャ)とは、日本語の「です」に当たる助動詞である。ネパール語文法では、日本語と異なり、「です」が人称によって変化する。一人称は「hu(フ)」、二人称と相手を尊敬する場合はhunnuhuncha(フヌフンチャ)、三人称は「ho(ホ)」にそれぞれ変化する。ラタラジューは、父親を尊敬しているため、hunnuhuncha(フヌフンチャ)と、ネパール語文法に則って正しく用いている。
 ラタラジューには、ネパール語文法の助動詞の運用能力があることを示している。


KA  Hajur.
   (そうですか)

KA  Tapaile Dahainma ke kani garnuhuncha?  Dashainma? 
   (ダシャインでは何を食べますか?)
注:ダシャインはネパール最大のお祭り。ただし、ソバナ博士の現地調査によれば、2010年現在のナル村人口2,277人の97%はタマン族であり、その90%以上が仏教徒、7%強がヒンズー教徒である。したがって、ラタラジューは仏教徒であった可能性が高い。ダシャインの祭りはヒンズー教の秋祭りである。ラタラジューにはなじみのない祭りであった可能性がある。

CL  Ka ... kana.
   (食べ物)

KA  Hajur. Dashain ke.
   (はい。ダシャインでは何を?)

CL  Dal, dal, Kodo.
   (ダルとコドです)
注:ダルはレンズ豆のカレー。「ダル」をネット検索すると、ダルチキンカレーでヒットする。「コド」は雑穀。コドはネット検索してもヒットしない。

KA  Kodo?
   (コドですか?)

CL  Kodo.
   (コドです)

KA  He.
   (?)
注:コドは雑穀であり、これを粉にして水で練り、厚めの煎餅のように焼いて食べる。現在では、カトマンズあたりではコドを食べる習慣はない。カルパナさんはコドを知らないらしい。

CL  Dal
   (ダルです)

KA  Dal.
   (ダルですか)


KA  Ani Dashain, chadbadma chahi ke kanu huncha ta?
   (ダシャインの祭りでは何を食べますか?)

CL  Ah ... oh ... a ... Ho  ...
   (あー、あー、おー、はい)

KA  Chadbadma ke kanuhuncha?
   (祭りでは何を食べますか?)

CL  Kana.
   (食べ物)

KA  Dashaima? Dashain manaunuhuncha?
   (ダシャインは祝いますか?)

CL  Ah ... kodo ... bhat ... dal. ani.
   (コドと米とダル。食べる)

KA  Tapaiko gauma kati jana hunuhuncha?
   (あなたの村には何人の人がいますか?)

CL  Ah ...
      (あー)

KA  Tapeiko gauma.
   (あなたの村には)

KA  Pachis.
   (25人です)
注:ここまでのネパール語対話で、ラタラジューは、「tis(30)」、「ath satori(8と70)」、「pachis(25)]の4つの数詞を自ら発語している。ネパール語の数詞の「1・2・3」は、「ek・dui・tin」ですが、「11・12・13」は、「egara・bara・tera」であり、日本語のように1の位に「ジュウ」を付けて「ジュウイチ・ジュウニ・ジュウサン」というような規則性がまるでない。
したがって、ネパール語の数詞を覚えることは覚えづらいと言える。こうしたネパール語の数詞をラタラジューはよどみなく使うことができている。「です」に当たる助動詞の尊称・二人称の変化 hunnuhunchaを用いていることと併せて、ラタラジューにネパール語の運用能力がある程度あることの証拠と言える。


KA  Pachis jana?
   (25人ですか?)
注:ラタラジューは村民が25人だと答えているが、彼が何歳のときの人数かが不明。また、ラタラジューが少なくとも30歳の時点ではカトマンズで傭兵としてラナ家の権力闘争に参加していたらしいが、その後ナル村に戻ったのか、あるいは別の村で住んだのかも不明。はっきりしているのは78歳で毒殺されたらしいときにはナル村で死亡していることである。


KA  Hari lai chinuhuncha, Hari lai?
   (ハリを知っていますか?)


CL  A, ah ... eh ...
      (あ、あー、えー)
注:「ハリ」はヒンズー教の神。ラタラジューは仏教徒であった可能性が高いので、ヒンズー教の神「ハリ」を知らないかもしれない。

KA  Hari lai chinuhuncha?  Hari.
   (ハリを知っていますか? ハリです)

CL  Murari.
   (ムラリ)


KA  Murari?
   (ムラリですか?)
注:ムラリとはサンスクリット語の詩の作者か?
 

CL  Kwa ... eh ... Meo ...
   (私の・・・)

KA  Tapaiko chimekiko nam ke ho? chimeki ko?
   (隣人の名前は何ですか?)

CL  Oh ...
      (おー、おー)


(その30へつづく)

SAM催眠学序説 その28

「ラタラジューの事例」再考 その10


「ラタラジューの事例」セッション逐語録 その6



ここでの対話でも、対話者カルパナさんは、顕現化しているラタラジュー人格の年齢を特定しながら対話しようとする意識がないようです。
したがって、カルパナさんの質問が、いつの時点のことを尋ねているのかあいまいになりがちで、混乱がみられます。
同様に質問されているラタラジューにも、いったい何歳のときのことを問われているのか戸惑いと混乱がみられます。
いきおい、ラタラジューの回答は、「解りません」 が多くならざるをえないことになります。

注:略号KAはネパール人女性対話者カルパナさん、略号CLはクライアント里沙さん。


KA  Tapaile ke garnuhuncha sadai? Ke kam garnuhuncha?
   (あなたは毎日どんな仕事をしているんですか? どんな仕事をしているんですか?)
注:ラタラジューが何歳のときか、または住んでいる場所の特定がない質問なので、答えようがないと思われる。ナル村にいたときの仕事は農作業であったし、カトマンズに住んだ30歳のときには傭兵であった。

 CL  Ah ...
      (あー)

KA  Tapai ke kam garnuhuncha?
   (あなたはどんな仕事をしているのですか?)

CL  ah .. e ... ah ... ume ... eh ... umer pachis  nargou?.
   (あー、あー、年は25歳、ナル村?)


KA  Tapai kaha basnu hunchare ahile? Tapai kaha basnu huncha, tapaiko gaun ka ho?
    (今、あなたはどこに住んでいるのですか? あなたはどこに住んでいるのですか、あなたの     村はどこですか?)
注:「今どこに」の「今」が、ラタラジューが何歳のときかの特定がない質問なので、答えようがないと思われる。また、出身の村の名前がナル村であることはすでに話しているので、それ以外に住んでいた村を尋ねられていると思ったかもしれない。


CL  Oh ... ho. oh ...
   (おー、はい。おー)

KA  nam ke ho gaunko?
   (どこですか、村の名前は何ですか?)

CL  Ah ... bujina.
   (あー、分かりません)

KA  Bujinubhaena.
   (分かりませんか)

KA  Lekna jannuhuncha tapaile?
   (字は書けますか?)

CL  Oh ... ho.
      (おー、はい)

KA  Audaina? Lekna padna?
   (書けませんか? 読み書きは?)

CL  Ah ... hoina.
   (あー、できません)
注:ラタラジューが文盲であったことを、2005年の日本語セッションで答えている。カルパナさんはこの事実を知らない。


KA  audaina?
   (できませんか?)

KA  Tapaiko gaunma mukhiya ko cha ta?
   (あなたの村の長はだれですか?)

CL  Kira.
   (キラ)

KA  Gaunma ma?
   (村では?)

CL  Kira. Ah ... kira.
   (キラ。あー、キラ)

KA  Kira?
   (キラ?)

CL  Kira. ... e ...
   (キラ)
注:ラタラジューは、「キラ」という村長名を思い出すと同時に、激しい腹痛を訴え始めている。なお、セッション後のフラッシュバックで、ラタラジューは、自分が腹痛で死んだのは毒を飲まされたからだと訴えている。村人たちは共謀してラタラジューと二人の子どもを毒殺し、ラタラジュー一家の存在をなかったものとして抹殺したと訴えている。こうしたフラッシュバックにおける訴えを受け入れるならば、「キラ」が謀殺の首謀者であった可能性が疑われる。


KA  Ke bhayo? Garo bhayo? Ke bhayo?
   (何が起こりましたか? 大丈夫ですか? 何が起こりましたか?)

CL  Bujina. Bujina.
    (分かりません。分かりません)

KA  Tapailai kehi bhanna man cha kita? Tapailai kehi bhanna man cha?
   (何か言いたいのですか? 何か言いたいのですか?)

CL  Ah ... ah ... mo ... ah ... mero ...
   (あー、あー、も、私の)

KA  Hadjur.
   (はい)

CL  Mero ... ha ... ha ... Mero pet
   (私のお腹)

KA   Hajur.
      (はい)

CL  Ah ... oh ... dukahuncha.
   (あー、おー、痛い)

KA  Tapaiko pet dukyo?
   (お腹が痛いのですか?)

CL  Ah!
      (あー)

KA  Tapaiko mritu ke bhayera bhako?
   (あなたが死んだ原因は何ですか?)
注:「死んだ原因」のように、特定された質問であれば、ラタラジューはきちんと答えることができるのである。

CL  Oh ... oh ... Ma ... rog ...
   (おー、おー、私、病気)

KA  Tapaiko mritu ke bhayera bhako?
   (あなたが死んだ原因は何ですか?)

CL  Rog ... Rog.
   (病気、病気)
注:4年前の2005年の日本語セッションのときには、ラタラジューは「老衰」で死んだと答えている。

KA  Rog?
   (病気ですか?)

CL Ah.
   (はい)

KA  Ke ko rog lagyo?
   (何の病気ですか?)

CL  Au ... ha .... pet.
   (あう、はー、お腹か)

KA  Pet ?
   (お腹?)

CL  Pet dukahuncha.
   (お腹が痛い)

KA  Pet dukera?
   (お腹が痛いのですか?)

CL  Ah ... ho ... ah... guhar ... ha ...
   (あー、はい、あー、助けて。はー、はー)

KA  Pet dukera?
   (お腹が痛いのですか?)

CL  Ahu ... ho ... ah ... guhar ruha ... ha ...
   (あふー、はい、助けて。はー、はー)
注:この腹痛の苦しみをラタラジュー人格が訴えているときに、里沙さんの胃部が痙攣発作を起こしている。前世人格の身体症状が、現世人格に再現化されるという現象が起こるのである。これは、先立つ2005年の「タエの事例」においても、タエ人格が吾妻川の泥流に呑まれて溺死するときの咳き込みなどの激しい苦しみが現世の里沙さんに再現化している。里沙さんが「前世の記憶」を語っているだけならば、このような激しい身体症状の再現化現象が起こることはないと思われる。

KA  Ke bhayo dukhyo?
   ( 痛いのですか?)

CL  guhar! ... guhar!.
   (助けて、助けて)

KA  Kati barsama bitnu bhako?
   (死んだ時は何歳でしたか?)
注:「死んだ時」のように、時期の特定された質問には、ラタラジューはきちんと答えることができるのである。


CL  Ah ... ah ...
      (あー、あー)

KA  Kati barsama ...
   (何歳でしたか?)

CL  Umer ... Mero ... umer ...
   (歳は、私の歳は)

KA  Hajur. Bite ko umer.
   (はい。死んだ歳は?)

CL  Ath satori ... ah ...
   (8と70、あー)

KA  Hajur?
   (はい?)

CL  Ath satori.
      (8と70
注:年齢表示の78を「8と70」という表示法は、現代ネパール語にはない。ソバナ博士の現地調査によって、一昔前のナル村では「8と70」という表示法を用いていたことが判明している。現代ネパール人の対話者カルパナさんには、「8と70」の意味が理解できないので、「70ですか?」と再度尋ねている。この事実は、里沙さんが現代ネパール人からは「8と70」という年齢表示を学ぶことはできないことを示している。つまり、里沙さんは、ネパール語を学んでいないことの強力な傍証である。


KA  Sattari?
   (70ですか?

CL  Ath satori.
      (8と70

(その29へつづく)